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式根島倶楽部

式根島倶楽部

男はつらいよ 2

 沖の小島に寅がゆく
 寅がゆくなら 恋がある。

 1985年年末封切りの、寅さんシリーズ代36話、、男はつらいよ式根島編柴又より愛を込めてのレビューその2です。ネタバレ含みます。

 さて、あけみちゃんと下田から見える島に行くことになった寅さん。この、島に行くまでの前半の30分、なかなかいいと思います。ただ、シキネジマニアには「いつ式根島が出てくるんだよ!」と焦らされることも確か(笑)。
 寅さんが「お~いおじさん、あの島にはどうやっていけばいいんだ?」と、通りすがりの漁師のおじさんに聞くと、おじさんがあっさりと「船で行きゃいいだ!」と返すシーンがちょっと面白いです。後ろで絵を描いている謎の絵描きさんも不思議な味わい。なんなんだろう、あの絵描きさんは何か意味があるのだろうか?…この辺は是非DVDでご確認ください。

 船に乗るあけみと寅。

  あじさい丸だよ!!!!!!!!

 下田船だ!!!!!!!!!!!!

  本当にあじさいまるだ!!!!!

 と、管理人興奮してしまいました。落ち着け管理人!昔懐かし下田船(竹芝に着くやつではなく、下田から神津・新島回りの船の神新汽船のことです。式根島にクリスマスケーキを運んでくれるのはこの下田船なんですよ)今は亡きあじさい丸の勇姿にしばし感動。

 そんな船の中で、若い人たちと合流する寅。聞けば彼ら十一人は小学校の同窓生だという。
ヨボヨボの先生が喜ぶだろう、と言う寅に、島で待っている先生(小学校3年生の時に担任)は美人だと笑う同窓生達。昭和48年(1973)に小学校を卒業したそうだから、映画の封切りが85年…12年前に式根島小学校を卒業したメンバーという設定なので、単純計算で青年たちは24歳ってことですか。
 1学年1クラスで11人いるので、「二十二の瞳だね」と、笑う青年たち。寅が調子に乗って「オレが入るとちょうど二十四だが、目が小さいから二十三くらいか」などと話して、あっという間に仲間になってしまう。

 確かに、船で一緒に居合わせた人たちと宴会などしてしまうことはありますね(笑)
 先日は、利島の学校の先生と意気投合して、一緒に0時過ぎまで船で飲んでました。その節はお世話になりました。とても感じのいい人たちで、おつまみをおごってくれました。

 
 さて、島の映像が映ります。とうとう来たぞ!とうとう、とうとう舞台は式根島へ。まずは式根島小学校が映ります。今と変わっておりません!自転車に乗って、今回のマドンナ・栗原小巻演じる真知子先生が満を持して登場です。マドンナって映画の三分の一出てこなくてもいいんですかね…。

 このあと、何故か真知子先生は小学校から港まで直線コースをとらず、おくやま商店の坂を落りて、釜下を通過し(これ、最初なんでこのコース?と思ったのですが、現在の野伏港ではないのですね、式根島港に船が着いていた時代だったのです。島の地図と照らし合わせてみてください。)教え子達が乗ってくる港へ。おくやまは昔の看板ですね。OKUYAMAの名前がなければわかりませんでした。現在はてらぴー湯治郎として、二階を貸しています。寅さんの映画にもちらりと出たてらぴー、いかがですか(CM)

 それにしてもやはり、島の女先生は自転車に乗っていなくてはいけませんね(笑)

 言うまでもありませんが、このシーンは「二十四の瞳(高峰秀子主演・木下恵介監督)」のオマージュになっていて、と申しますか全体にこの映画は二十四の瞳が意識されて作られています。タイトルにある「ロシアより愛を込めて」はほとんど生かされてないので(後半30分でいきなりロシアにこじつけのシーンは出てくるので、これは後述)サブタイトルも寅次郎の瞳、とかにしてもよかったのになあ、などとちょこっと思ったりして。まあ、それだったらこのレビューも式根より愛を込めて、など付けられなくなるんですが。

 なんせ、脚本の朝間義隆氏は、この2年後に田中裕子で二十四の瞳の監督をしていますから、相当研究していたんじゃないでしょうか。(この人は、2002年にたそがれ清兵衛の脚本で各賞を受賞しています。最近は釣りバカ日誌の脚本も書いているそうですよ)

 さて、案の定寅は出迎えにきていた青年達の真知子先生に一目惚れ。ちなみに栗原小巻は第四作に続く出演で、大原麗子に続いての同一女優だけれども、別人のマドンナ・という設定です。リリーさんみたいに、シリーズを通じて同一人物ではないんですな。彼女の起用は賛否両論あるようですが、個人的には栗原小巻はなかなかよかったと思います。管理人は未見ですが、第四作(新 男はつらいよ)では幼稚園の先生だったそうです。春子先生というお名前だったそうです。幼稚園でハル子先生か…いいですねえ。(^^

 港で教え子達を出迎える真知子先生。その美しさに見とれる寅。
全員の生徒の名前を呼び、「先生、覚えててくれたの」「当たり前じゃない…」という中、一人四角い大きな顔の男が…「あの、ごめんなさい、誰だったかしら?」聞かれた寅は猫なで声で「アイ、寅チャンデス」「と…寅ちゃん?」途端に吹き出す生徒達。
「先生!この人は、船で一緒だったおじさんだよ!」「あらあら!」マチ子先生だけに、いやーん、まいっちんぐ。

 港には旅館の車が。って、何故か式根島観光協会の軽トラが迎えに来ています。みんな島の子どもだから、観光協会の車?特例だったのか?「ご一緒にどうです?」と聞かれて、寅さんったらホイホイついていってしまうのでありました。

 「とらのばかやろーっ!!!」

 ほっぽりおかれてしまったあけみちゃん。
 さて、船は行っちゃったし、式根島ロケ開始です。 (続く)



 
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